2012年4月28日土曜日

歴代最強の日本人囲碁棋士は誰ですか?

歴代最強の日本人囲碁棋士は誰ですか?







囲碁というのは先手必勝の未完成なゲームです。

先手必勝なので先手は「勝てる碁」を打ちます。

後手は何とかひっくりかえそうと打ちますが、相手のレベルが

高いと必ず負けます。



現在では先手後手の差を埋めるべく、コミを採用しています。

どれだけのコミがあれば互角なのかは、まだ決まっていません。

試行錯誤の上、とりあえず現状のコミになっています。



さて、ここでコミのある碁と無い碁では打ち方が変わります。

昔の人はコミ有り碁は指していないから、現在の名人とは

実力は測れないかもしれません。



しかし、人間は進化するものだと思います。

昔の野球選手が今の野球選手に勝てないように、

研究の進んだ今の囲碁を打つ張栩五冠が最強だと思います。



また、囲碁は世界中で打たれています。

世界は広いのでとんでもない天才棋士がいるかもしれません。



なんだか反論されたみたいだから付け足す。

本因坊秀策が現代の棋譜を研究すれば圧勝とのことです。

随分と間抜けな考えでしょう。



では、もし現代の棋士が江戸時代で戦えばどうでしょうか?

必ずしも劣っているとはいえません。



全ての発明などで言えることですが、先の発明品より

後から出てきた改良品のほうが優れています。

それは、最初の発明が必要ないからです。後から考える人は

改良のことだけを考えればいいからです。



しかし、最初の発明をした人間が必ずしも良い改良をする

とは言えません。



本因坊秀策はそれ以前の棋士の囲碁はあまり知りません。

時代の問題で情報量が現在とは全く違うからです。

本因坊秀策の時代では身近にいる人と打つか、一人で勉強

するか、少ない情報量(本や他人の棋譜)をみて研究するか

程度です。

現在ではコンピュータと通信が発達しているので、トッププロの棋譜

は何処にいてもタイムリーにみることが出来ます。

新手もすぐに研究されてしまいます。

時代が変わると囲碁の進化が全く違うのです。



そこで、本因坊秀策が現代人より「勉強熱心で良く出来る」と判断

する理由がありません。

現在のトッププロは多くの情報でより多くの囲碁の勉強をしてきた人です。

本因坊秀策は囲碁のセンスはあっても、情報処理能力が高いかどうか

改良する能力が高いかどうかはわからないのです。



本因坊秀策が全ての能力に優れていると思い込みたいだけなのです。

過去の偉人をそう思いたいのはわかりますが、実際はそんなに都合のいい

ものではありません。

本因坊秀策にも囲碁が強くなることにおいて欠点はあるのです。








当然、一概に答えは出せませんが、プロ棋士にこの質問をすれば”本因坊秀策”を推す声が多いと思います。

韓国のトッププロであるイ・チャンホ9段(世界戦グランドスラム・世界戦最多優勝等の記録保持者)や、かつて本因坊戦などで活躍した武宮正樹9段などは子供の頃から熱心に秀策の棋譜を並べたと言われています。また、イ・チャンホ9段は「私は一生かけても秀策先生には及ばないだろう」と語っています。



また、ヒカルの碁では、本因坊秀策は「囲碁史上最強の棋士」として登場しています。この漫画はプロの棋士が監修しているので、やはりプロの世界では、歴代最強の棋士は本因坊秀策、という風潮があるのでしょう。



性格は非常に温厚で、妻に対して怒ったことは一度もなかったそうです。しかしその性格故、コレラが流行した際、感染した門下生の手当をしてしまって自らも感染し、30代半ばで亡くなられました。実力のみならず、こうした、人格者である点からも本因坊秀策を推す声が多いのでしょう。



よって、歴代最強の日本人囲碁棋士は本因坊秀策だと思います。



ひとつ付け加えたいことが・・・・

他の方の答えの中に、「昔のプロは今のプロに勝てない」との趣旨のことが書いてありますが、囲碁の場合、それは半分正しく半分正しくありません。



もしも、本因坊秀策を今によみがえらせて、今の超一流プロ(タイトル保持者など)と打たせれば最初のうちは多少勝率が悪いでしょう。なぜなら、当然現代の方が、序盤に現れる布石の型や定石を研究が進んでいるからです。そのため、秀策は序盤で多少劣勢になるでしょう。(中盤以降は、本来の実力通り)しかし、秀策がしばらく現代で、現代の囲碁の布石や定石を研究すれば瞬く間に圧勝することだと思います。

また、秀策の師匠である本因坊丈和は道策について、上記のような発言を残しています。ときの名人が遺した言葉からも上記のことはある程度信憑性はあるでしょう。



蛇足ですが、秀策が最強といわれるのは、序盤の布石の型や定石が凄いのではなく、序盤・中盤の構想、石の強弱の的確な判断、ヨセの正確さ等がどれも優れているからです。



長文&まとまってない文で申し訳ないですが、ご参考になれば幸いです。







張栩五冠です。



ただし、日本人ではなく台湾人ですけど。



その張栩五冠ですら、世界選手権レベルでは準決勝にも残れないのが現状です。







江戸時代では、①丈和②秀和③秀策

昭和では、 ①高川秀格②呉清源③加藤正夫



たんに私の好きな順番です。







「歴代最強の日本人囲碁棋士は誰か?」という問題は永久に結論が出ず、従って酒の肴として恰好の話題です。

個人的見解ですが、それは本因坊坂田栄寿名人です。その理由は妙手妙着が最も多いからです。粘着力とか逆転力の話となると、また回答は異なります。

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